民間主体の地域資源創出

(1)迷走気味のシルバー産業

平成12年4月介護保険制度が制定され、さまざまな福祉サービスが民間の手に委ねられてシルバー産業が誕生しました。日本が直面した高齢化対策でしたが、認知症患者の急増や予想以上に膨れ上がった利用料に悲鳴をあげたのは国の予算です。平成30年を一区切りに、また介護保険制度が改正され見守りや声かけ程度の支援に該当する高齢者はサービス対象外となります。今ではシルバー産業にAI(介護ロボット)、外国人労働者の参入とますます理想の介護像から遠ざかる傾向にあります。

右図にあるように高齢者人口は2030年頃がピークで以後は、高齢者数はあまり変動しないものの、65歳未満の人口が極端に減少していることがわかります。また死亡者数も2040年頃にピークを迎えますが、その準備を心がけている人も少なく年々増加する孤独死など新たな課題に直面しています。

(2)老いの準備を呼びかける

実は高齢者や家族が抱える漠然とした不安やさまざまな課題を共有したり、解決策を講じるのはもはや行政の役割ではありません。多様化した家族のあり方や、地域を越えて点在する家族が1箇所の市町村に相談に行くのは現実的ではありません。まさに、民間主体で老いの準備を呼びかけることが一番有効で確かなものだと言えます。

(3)民間主体の行政との連携サービス

・横浜市→行政が民間と提携して高齢者の居場所作りを始めました

・米原市→地域お茶の間創造事業開始  参考資料:http://www.city.maibara.lg.jp/cmsfiles/contents/0000003/3694/startguide2015.pdf

・滋賀県→2016年2月に、セブンイレブン・ジャパンと「高齢者の安心安全に関する協定」を締結

 

全国各地で様々な取り組みがされています。

老いの現場を経験して…

平成16年から11年間に渡って高齢者介護の現場に携わり、老いるという現実に向き合うご本人とご家族にもっと早くから知っておいてほしかったことがたくさんあると気づいきました。実際介護保険を利用になられるまでに準備出来ること、「まだまだそんなサービスは使わない」と思われている方にこそ介護保険サービスの内容や認知症、老老介護や、独居老人の現実を知っていただきたいと強く思います。

(1)介護保険サービスについて

病気になったら病院へ、日常生活に不便を感じたり困ったら介護サービスへ。とお考えの方に「具体的に介護サービスで何が出来るがご存知ですか?」と尋ねると、だいたい曖昧な返事がかえってきます。介護施設の選び方や、今の生活スタイル趣味嗜好を踏まえてどんなサービスが使えるかをお教えします。

 

実際に係る費用は?何を基準に施設を選べばいいの?終の住処を探す必要性は?

(2)本人の希望と支える家族とのギャップを埋める

厚生労働省はこの図に示されている調査を基に、福祉施設の充実から在宅介護を推奨するようになりました。もちろん、国の予算に限りがあるので在宅で個人が介護してくれる方がいいわけです。ところが、要介護者を持つ家族が24時間の支援が可能かといえば必ずしもそうではありません。

希望する暮らしに沿えるように、老いを知って自分らしく生きる準備をすることが大切です。

エンディングノートの作成や、老前整理の方法などを丁寧に一緒に考えさせていただきます。

(3)認知症について

2016年は、認知症と診断された高齢者の事件や事故が相次ぎ社会に大きな衝撃を与えました。高齢者ドライバーによる誤操作事故、認知症の家族を介護する側のストレスが引き起こす事故を聞いて「他人事ではない」と思われた方も多いはずです。全国でも様々な取り組みが行われていますが、小学生からご近所の方まで広い世代に認知症の正しい知識と適切な対応を知っていただくことが大切です。

自分の意思に関係なく記憶がなくなっていく・・・という恐怖と向き合うのに一人ではあまりに心細すぎます。まずは認知症のことを知ってください。

(4)今からのお付き合いが最期までご一緒できるように

厚生労働省による調査結果では、日常生活面で多くの不安をかかえていることがわかります。ではこれらは行政窓口や家族だけで解決できるでしょうか?私が介護の現場で一番憤りを感じたのは「老いてなおたらい回しにされるのか」ということです。要介護度に合わせての施設選び、状態に応じてのサービスの変更と一人の人を取り巻く環境は目まぐるしく変わり、その度に同じ質問を何度もされるのです。「過去の病歴は?」「好きな食べ物は?」これを業界用語でアセスメトと言いますが、実際に高齢者さんから言われるのは「私のことをよく知ってくれている人にお任せしたい」。最期のその時までいろいろな生活の場面でご一緒させていただける関係作りこそ、

今最も重要な社会資源ではないでしょうか?

些細な相談や疑問、何気ない日常に寄り添える関係性を築くことができる地元企業はさながら近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしを実践していると言えます。

 老いの準備を地域で!!